中国初の3A大作「黒神話:悟空」の魅力とは?

中国初の3A大作「黒神話:悟空」の魅力とは?

目次

はじめに

2024年8月20日、中国初の3Aゲームが正式に発売されました。自分はこういった高難度のゲームを長続きしてプレイするのが難しいタイプ(いわゆる「手残党1」)なので、購入はしませんでしたが、YouTubeで他の人のプレイを見て、数日間でほぼ「クリア」を果たしました。簡単に感想を述べると、このゲームは9点の価値があると感じました。特に中国初の3Aタイトルという視点から評価すると、間違いなく満点の10点です。

この記事では、皆さんが自分でゲームを体験できるよう、あまり細かい内容には触れません。

ストーリー性

発売前に公開されたトレーラーで、ボスやステージデザインに多くのプレイヤーが満足していましたが、唯一の懸念はストーリー性でした。しかし、実際にプレイしてみると、この部分が一番の驚きで、最も感動しました。素晴らしい出来です!

メインストーリー

まず、各章のメインストーリーが非常に魅力的で、章を追うごとにどんどん面白くなっていきます。特に印象に残っているのは、猪八戒と蜘蛛精の章です。以前のテレビドラマでの固定観念を持っていたので、まさかこんな感動的な物語が背後にあるとは思いもしませんでした。

各メインストーリーには深い意味が込められていて、後の展開への伏線になっているかもしれません。多くの人が、これらの物語が原作に根ざしていると言っていますが、ドラマでしか『西遊記』を知らなかった自分にとって、今までの認識がいかに浅かったか痛感しました。この作品がこれほどまでに深遠であるとは思いもしませんでした。さすが四大名著の一つです。これを機に、原作をぜひ読んでみたいと思うようになりました。

ボリューム

ここで終わりかと思ったら、さらに続き、次々と新しい展開が待っていました。予想の3、4倍のボリュームがあり、ストーリーが次から次へと展開されるのには本当に驚かされました。シナリオライターがこれだけのストーリーをうまく繋げて、次々と驚きを提供してくれることに感服しました。

複数のエンディング

最後のエンディングは、ただボスを倒して終わるだけではなく、達成したミッションに応じて異なる結末が用意されています。自分が見たのは最も基本的なバージョンでしたが、最初は少し物足りないと感じたものの、後から複数のバージョンがあることを知りました。他のバージョンの動画はあえて探さず、将来的に自分で探索する楽しみに取っておきたいと思っています。

自分はさらに知乎で他の人の解説も見てみましたが、そこで多くの素晴らしい解釈を見逃していたことに気づきました。皆さんの解説を参考にすると、ゲームやストーリーへの理解がさらに深まりました。初めて、ゲームの戦闘や操作以上にストーリーに夢中になった瞬間です。😂

シーンとアイテムデザイン

シーン

各章のマップはそれぞれ異なる地域を舞台にしており、同じ章内でも異なるシーンが用意されています。特にボス戦の舞台デザインが素晴らしく、水や雪、花畑、泥沼、水墨画風のエリアなど、さまざまなシーンが存在します。開発チームはその能力を最大限に発揮して、プレイヤーに驚きを提供してくれました。私が特に気に入ったのは、菜の花畑のシーンです。剣を振るたびに花びらが舞い散り、戦闘を見ていることを忘れるほど引き込まれました。

服装とアイテムのディテール

戦闘シーン以外にも、服装やアイテムのデザインが非常に細かく描かれていて、自分もとても気に入りました。特に装備画面では、どのディテールも非常に丁寧に作り込まれています。主人公だけでなく、妖怪キャラクターたちの衣装もどれも素晴らしく精巧です。制作チームが多くの歴史資料を参考にしてデザインしたと聞いていますが、このような古代文化の遺産をこのゲームを通じて鑑賞できることに感謝しています。もし設定資料集が発売されたら、ゲームよりも先にそちらを購入したくなりそうです。笑

妖怪デザイン

妖怪デザインの素晴らしさは、すでに多くの場所で取り上げられていますが、実際にゲーム内で細部にわたる彫刻のようなディテールには驚かされました。史料からの深い掘り下げと、細部までの忠実な再現には本当に感服しました。

その他

地神の祠

各章ごとに地神の祠のデザインが異なり、その設計が自分の心を強く捉えました。特に献香の前後で様子が一変する演出が斬新で、とても印象的でした。

オープンワールド

ゲーム全体の世界観が非常に緻密に設計されており、森や寺院の内部、地下洞窟など、どれも鑑賞するだけで十分に楽しめます。多くの人が完全なオープンワールドではないことを少し残念に思っていますが、個人的には、あまりにオープンすぎると焦点がぼやけてしまうかもしれないと感じました。しかし、制作チームは最終章でオープンワールド的な要素を取り入れ、筋斗雲を使って様々な場所を自由に移動できるようにしており、プレイヤーにオープンワールドの雰囲気を少しでも感じさせてくれました。

音楽と声優

発売前の最終トレーラーでの声優の演技は多くの人に賞賛されていましたが、実際のゲーム内でも各種ボイスは素晴らしいものでした。国風と古代楽器の音楽をこれだけ多く聞いたのは初めてで、自分にとっても新しい体験でした。

声優に関しては、初めて中国語をメインにしたゲームで、言葉では言い表せないほどの誇りを感じました。「これぞ本場の味だ!」と心から思いました。今回のゲームで猪八戒は間違いなく重要な役割を果たしており、主人公があまり話さないことで高級感が出ている反面、少し物足りなさも感じました。しかし、その部分を猪八戒のボイスがしっかりと埋めてくれており、何度も笑わせられました。制作チームのこの巧妙なアレンジにはただただ感心しました。

その他のディテール

翻訳

日本のストリーマーのプレイを見て、ゲーム内の日本語翻訳も非常に丁寧に作られていることがわかりました。特に古文の風味を保ちながら、単語選びや文章作成が巧みに行われている点には感動しました。翻訳者が中国人か日本人かわかりませんが、もしその人が歴史に特に詳しいのであれば、この翻訳はまさに自分の作品を彫刻するような感覚だったのではないでしょうか。

蛇足ですが、最後の「大師兄」のコスチュームに記載されている「很好!很好!很好!2」というセリフには思わず笑ってしまいました。緊張感ある戦闘シーンや古代の物語の中で、こういった遊び心を取り入れる制作チームのセンスに感心しました。

協力

ゲームの最後に表示された制作チームや協力者の一覧は、ほぼすべて中国人の名前で、これには一種の誇りを感じました。特に、NVIDIAなどの外国企業との協力リストでも、その大部分が中国人の名前でした。なぜこれらの外国企業が多くの中国人を派遣したのかはわかりませんが、海外にいる自分のような人にとって、中国の歴史的な初の3A大作に参加できる機会があれば、ぜひ貢献したいと思うのではないでしょうか。(実際のところはわかりませんが)

結び

最初にトレーラーが公開されたとき、皆が映像の内容が本物かどうか疑問視していましたが、【Game Science】は実力で納得のいく答えを出してくれました。皆の期待を裏切ることなく、少なくとも自分にとっては予想を上回る出来でした。そして、次のゲームへの期待も非常に高まっています。

ちなみに、もし公式から設定資料集が出たら、絶対に欲しいですね!笑


  1. ゲームのコントローラー操作が下手な人。 ↩︎

  2. Good! Good! Good! ↩︎

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